SLENDER IV.com / 書き下ろし官能小説
いつも人に譲ってきた私が、親友に彼氏を奪われ…
作品から着想を得た、書き下ろし官能小説です。
作品の余韻から生まれた、出演者本人とは無関係の独立した物語です。
この物語は作品から着想を得た独立したフィクションです。出演者本人の心情や実際の出来事、レビュー対象の固有場面を示すものではありません。
この小説は、作者自身のアイデアと構想をもとに、AIの支援を受けながら文章化・推敲しています。
WRITTEN FOR SLENDER IV.com
いつも人に譲ってきた私が、親友に彼氏を奪われ…
梓には、最後の一つを人に譲る癖があった。
皿に残ったケーキ。窓際の席。会議で目立てる発表の順番。
欲しくないわけではない。
ただ、誰かが欲しそうにしていると、自分まで手を伸ばすのが急にみっともなく思えてしまう。
恋愛も同じだった。
「どっち観る?」
恋人の聡志がスマートフォンを見せる。
片方は梓が前から観たかった映画。もう片方は、聡志の好きそうなアクション映画だった。
「聡志の観たいほうでいいよ」
「またそれ?」
「どっちでも楽しめるし」
聡志はアクション映画を選んだ。
付き合って半年になる。
何度も誘われ、告白されて付き合った。
優しい。嫌いでもない。
けれど、自分からこの人が欲しいと思ったことはなかった。
一年前には、そう思った男がいた。
遼平。
大学時代からの友人で、一度だけ二人で展覧会へ行こうと誘われた。
梓は嬉しかった。
返事をしようとした前日、美香から聞かされた。
「私、遼平が好きかもしれない」
だから断った。
それどころか、
「美香もその展覧会行きたがってたよ」
と遼平に教えた。
一か月後、二人は付き合い始めた。
梓は誰にも、自分も遼平が好きだったとは言わなかった。
それでよかったと思うことにした。
*
水曜の夜。
残業を終えた梓は、聡志のマンションへ寄った。
仕事で夕食の約束をキャンセルされたから、好物の煮込み料理だけ冷蔵庫へ入れて帰るつもりだった。
合鍵で玄関を開ける。
女物の靴があった。
見覚えがあった。
美香の靴だった。
リビングの扉を開けたとき、二人はソファにいた。
床には聡志のシャツ。
美香のブラウスは胸元まで開いている。
先に梓を見つけたのは美香だった。
「……梓」
聡志が振り返る。
「待って。違うんだ」
梓は手にしていた紙袋を玄関の棚へ置いた。
「これ、好きだったでしょ」
「梓」
「冷蔵庫入れといて」
そのまま部屋を出た。
怒鳴ることも、泣くこともできなかった。
エレベーターを待っていると、美香が追ってきた。
聡志のシャツを羽織っている。
「梓、ごめん」
何も答えなかった。
「お願い。遼平には言わないで」
そこで初めて、美香を見る。
「一回だけなの。もうしないから」
エレベーターが来た。
梓が乗り込む。
閉まりかけた扉の向こうから、美香が言った。
「梓なら、わかってくれるでしょ?」
扉が閉じた。
梓ならわかってくれる。
梓なら怒らない。
梓なら譲ってくれる。
一年前もそうだった。
けれど。
それを決めたのは美香ではない。
自分だった。
マンションを出ると雨が降っていた。
軒下でスマートフォンを取り出す。
遼平の名前を開く。
一年前なら、そのまま閉じていた。
遼平が傷つくから。
美香が困るから。
そんな理由をいくつも並べて。
梓は打った。
〈今夜、会える?〉
送信した。
*
いったん自宅へ戻った。
シャワーを浴び、クローゼットを開ける。
ジーンズを出した。
少し見て、戻した。
代わりに、一度も着ていない黒いタイトワンピースを選んだ。
身体の線がはっきり出る。
裾には深いスリットが入っている。
浮気を知らせるだけなら、こんな服はいらない。
梓自身、それは分かっていた。
*
駅前のバーで、遼平はもう待っていた。
梓を見るなり、少し目を見開く。
「……どうした、その格好」
「変?」
「そうじゃなくて」
梓は向かいに座った。
「遼平に会うから」
それ以上は言わなかった。
美香と聡志のことを話した。
遼平はしばらく黙った。
「……そうか」
テーブルの上に置いたスマートフォンを見つめる。
美香へ電話する。
出ない。
もう一度。
やはり出ない。
「最悪だな」
その顔を見た瞬間、梓の中にいつもの考えが浮かんだ。
今日はもう帰ろう。
一人にしてあげよう。
美香と話す時間を作ってあげよう。
梓はそれを飲み込んだ。
「遼平」
「ん?」
「私、一年前、あなたが好きだった」
遼平が顔を上げる。
「……え?」
「展覧会、行きたかった」
「じゃあなんで断ったんだよ」
「美香があなたを好きだって言ったから」
「俺は梓を誘ったんだけど」
「うん」
「……知らなかった」
梓はグラスを置いた。
「私が言わなかったから」
遼平は何も言わない。
「いつもそうなの。欲しくても、誰かが欲しそうだったら譲る」
「聡志も?」
梓は少し考えてから頷いた。
「向こうが私を好きだったから付き合った」
「好きじゃなかった?」
「嫌いじゃない」
それから、遼平を見る。
「でも、欲しかったのはあなた」
沈黙した。
遼平の視線が、一度だけ梓のワンピースへ落ちる。
梓はそれを見逃さなかった。
「今も?」
遼平が聞いた。
「今も」
「それ、美香への仕返しじゃないのか」
「入ってると思う」
梓は答えた。
「でも、それだけならこんな服着てこない」
遼平が黙る。
「今夜はやめたほうがいい」
「どうして?」
「二人とも頭にきてる」
「そうだね」
「明日後悔するかもしれない」
「するかもしれない」
それでも梓は目を逸らさなかった。
一年前なら、ここで引いていた。
相手に正しい答えを選ばせて、それに従っていた。
今夜は違う。
梓はテーブル越しに遼平の手へ触れた。
「嫌なら断って」
遼平が梓を見る。
「私は今、あなたと行きたい」
手を引かない。
長い沈黙のあと、遼平が梓の指を握った。
「……行こう」
*
ホテルの部屋へ入る。
扉が閉まる。
遼平が振り返った。
「梓」
梓はバッグを置く。
返事の代わりに、遼平の胸元を掴んだ。
そして、自分から唇を重ねた。
遼平の腕が腰に回り、身体が密着する。
立ったままキスを続ける。
梓が一歩踏み込めば、遼平は壁まで下がった。
梓はファスナーを自分で下ろし、背を向ける。
肩越しに振り返り、ワンピースをゆっくり落とす。
ブラも外し、下着だけ残して立つ。
「来て」
遼平が後ろから近づき、肩、腕、背中、腰の順に触れる。
梓は背中を預け、彼の手を取って胸へ、それから下着の上へ導いた。
指が当たった部分は、すでに濡れていた。
振り返ってキスし、遼平の服を脱がせる。
手を引いてベッドへ歩き、先に端へ座る。
脚を開いて腿の間に立たせ、肉棒に口をつける。
「遼平…」
遼平が髪をなでると、梓は遼平の肩へ手をかけ体勢を入れ替えた。
梓が上に跨る。
「遼平、ここ」
手を取り、自分の腿の内側へ、濡れた下着の上へ押しつける。
遼平が聞く。
「本当に、いいのか」
言葉では答えなかった。
下着を自分で横にずらし、遼平のものを握って入り口へあてがい、そのまま腰を落とした。
先が割り込んだ瞬間、梓の喉から短い声が出る。
「んっ…あぁ…」
熱いものが中を押し広げ、奥まで届く前に一度止まる。
遼平の手が腰を支える。
梓は自分から、残りを沈めた。
「……っ、入ってるよ」
中で脈打つ感触が、腹の奥まで分かる。
濡れていたせいで奥まで収まったのに、サイズの圧は逃げない。
梓は遼平の腹に両手をついて、自分で腰を前後にゆすり始めた。
ぬるぬると音が立つ。
「動いてる……私……んっ…んっ…気持ちいいから…」
遼平が下から腰を突き上げる。
梓は受け止めるだけでなく、落ちるタイミングを合わせて奥へ飲み込む。
激しい水音が部屋に広がった。
積極的になった梓は、結合部から糸を引くほど濡れ、熱い液が太腿の内側を伝う。
「こんなに濡れたの…初めて…」
「梓…」
遼平が起き上がり、梓を仰向けに返す。
脚を開いたまま、深く突き入れる。右手の親指でぬるぬるのクリトリスを擦る。
「ああっ…!」
梓は脚を腰に絡め、踵で背中を叩くように引き寄せた。
「もっと、もっと奥…遼平…」
一度、大きく引かれる。
入り口で亀頭だけが残る感覚に、梓が腰を浮かせて自分から追いすがる。
再び根元まで埋まると、吐息が崩れた。
「はぁぁぁ…っん…」
遼平の恥骨が当たるたび、親指を当てられたクリトリスも一緒に潰される。
梓は自分の手をそこに滑らせ、遼平の指を自ら動かし、腰を上げた。
激しくなる。
ベッドがきしみ、結合の音が濡れて、叩きつける音に変わる。
遼平が腿を腕で抱えて折り畳むと、角度が変わり、子宮口を突くような深さになる。
「ああっ…!…あっ……あっ…あっ…はっ…」
腕を遼平の首に回し、身体を密着させたまま、突き上げられるたびに腰を動かし中を締めつけた。
「離さない……」
「選んだの、わたし…んんっ…あっ!」
遼平の節奏が乱れる。
梓は下から腰を迎えて打ちつけ、名前を繰り返し呼ぶ。
一度、遼平がゆっくり抜きかけて確認するように止まったときも、梓が脚を強く閉じて引き戻した。
ぬるぬると音を立てて、また奥まで咥え込む。
体位が変わる。
ーー後ろから。
梓は肘をついて、自分から腰を後ろへ突き出す。
遼平が根元まで入れた拍子に、背中が反った。
遼平の手が胸を掴み、乳首をつまむ。
「いやっ……ん…」
梓はその手を上から押さえて、もっと強く、と示し、同時に自分でも腰を後ろへ打ちつけた。
「はげしく……して」
遼平が腰を振る。
尻が当たる音と、中を掻き回される音が重なる。
涎がシーツに落ち、太ももが震える。
それでも手を伸ばして遼平の腿を掴み、離れないように引き寄せた。
再び体制を変える。
遼平が覆いかぶさり、短い振幅で急に速くなる。
梓は脚を大きく開き、腰を浮かせて自分から擦りつけ、彼の肩に歯を立てそうになるほど抱きついた。
「ああ…だめ……気持ち…いぃ」
奥を何度も突かれ、視界が白む。
その寸前も、腕は遼平を離さなかった。
「いく……遼平、いっしょに」
締めつけが強くなり、遼平も奥で大きく脈打つ。
熱いものが膨らむ感覚に、梓は彼の背を掻き、腰を密着させたまま絶頂を迎えた。
中を痙攣させながら、まだ埋められたまま、離さない。
しばらく、つながったまま呼吸だけが荒い。
濡れた身体のまま、遼平の胸へ寄り、腕を回して身体を寄せる。
*
梓はベッドの脇に落ちたワンピースを拾った。
スマートフォンには、聡志から何件も着信が残っている。
短く打つ。
〈別れよう。鍵は送るね。〉
送って、画面を伏せた。
「梓」
振り返る。
遼平がベッドからこちらを見ている。
梓は少しだけ考えてから言った。
「金曜、空いてる?」
「……美香とまだ話してないぞ」
「うん」
「それでも?」
梓は頷いた。
「私は会いたい」
遼平がしばらく梓を見て、それから小さく笑った。
「どこにする?」
以前なら、どこでもいい、と答えていた。
梓はワンピースのファスナーを上げながら言った。
「駅前に行きたい店があるの」