04 / FICTION

SLENDER IV.com / 書き下ろし官能小説

妄想の中の私

個人撮影で、妄想の輪郭に近づく夜

個人撮影を選んだ女性が、安全な距離から近づこうとした妄想の輪郭を、自分自身の選択として見つめ直す。

創作であること

この物語は作品から着想を得た独立したフィクションです。出演者本人の心情や実際の出来事、レビュー対象の固有場面を示すものではありません。

この小説は、作者自身のアイデアと構想をもとに、AIの支援を受けながら文章化・推敲しています。

WRITTEN FOR SLENDER IV.com

私が個人撮影に申し込んだ理由を、「写真が好きだったから」と言えば、嘘になる。

応募フォームには、ポートレートに興味があることや、普段とは違う自分を写真に残してみたかったことを書いた。それも間違いではない。ただ、本当に確かめたかったことは、別の場所にあった。

私は昔から、ときどき知らない男の欲望に無理矢理にさらされることを想像した。

少しの遠慮もなく、むき出しの欲望に巻き込まれていく。妄想の中でめちゃくちゃにされた。

現実で本当に危険な目に遭いたいわけではない。そこは自分でも分かっている。だから撮影を選んだ。

個人で女性を撮っているような人なら、むしろ境界には慎重だろう。撮影という枠の中なら、怖くなれば自分から終わらせることもできるはずだ。

安全な場所から、妄想に近づいてみる。

そういうつもりだった。

待ち合わせ場所に現れた男を見て、その考えは間違っていなかったと思った。

三十代半ばくらい。黒いシャツに眼鏡。大きなカメラバッグを持ち、挨拶が終わるとすぐに機材や撮影場所の説明を始めた。

私を見るより、レンズや照明を確認している時間のほうが長い。

「写真の公開は、全部確認してもらってからにします。それと、途中で嫌になったらその場で言ってください」

丁寧だった。

やっぱり。

この人なら大丈夫。

そう思った。

撮影は普通に始まった。

窓際に立ち、椅子に座り、言われた方向に顔を向ける。男はファインダーを覗きながら淡々とシャッターを切った。

「少し顎を引いて」

言われた通りにする。

「いいですね」

またシャッターが鳴る。

予定通り、私は少しずつ姿勢を崩していった。

脚を組み替える。椅子に深く腰掛ける。カメラではなく、ファインダーの向こうにいる男を見る。

男のシャッターを切る間隔が、わずかに変わった。

私は気づいたけれど、何も言わなかった。

次は立ち上がり、窓際へ移った。

「脚がきれいに見える感じで撮ってほしい」

男は少し考えてから位置を変え、さっきより低いところからカメラを構えた。

シャッターが鳴る。

私はそのままでいた。

衣装の裾が少しずれていた。角度によっては下着が見えるかもしれない。

男にも分かっているはずだった。

シャッターが続く。

それが嬉しかった。

私が欲しかったのは、こちらが許可した構図を一枚ずつ撮ってもらうことではなかった。

目の前の男が、自分で見たいと思ったものを選ぶ。

その感覚だった。

「急に真剣になりましたね」

私が言うと、男はファインダーから目を離さなかった。

「最初から真剣ですよ」

「そうかな」

それ以上は言わなかった。

私はポーズを変えた。

今度は壁に背中を預け、少し姿勢を崩す。

男はすぐ場所を移動した。

「目、こっち」

言われて、カメラを見る。

シャッター。

「そのまま」

またシャッター。

指示が短くなっていた。

もっと変わればいい。

そんなことを期待していた。

このあたりが始まりだったのだと思う。

撮影が進むにつれて、男の目が変わっていった。

直接何かを言われたわけではない。

ただ、カメラを下ろしたときに私を見る時間が長くなった。

距離も近い。

私はそれを感じるたび、もっと大胆になった。妄想の中の私を真似て、ポーズを取る。

どうせ最後には止められる。

「ちょっと衣装、直していいですか」

男が近づく。

衣装の裾に手を伸ばし、位置を直す。

そのとき、指先が私の脚に触れた。触れたのはほんの一瞬だった。

だが、衣装から手が離れない。もう直し終わっている。

同じところを触り続けている。

「脚の位置を、こうしてもらえますか?」

今度は優しくではあるが、はっきりと足首を掴まれた。思ったより手がゴツゴツしている。力の強さを感じる。

――あれ?

その瞬間、初めてこの人を男だと思った。

意識したら怖くなって来た。このまま襲って来たらどうしよう。

どこまでなら許す?どこで止める?

男を見る。

目が合った。

それまでは、カメラを持った慎重な人だった。

だから安心して遊べた。

でも今の一瞬には、別のものがあった。

胸の奥がざわついた。

しかし同時に、妄想の中の私が快感を貪り始めた。

「……はい」

私が答えると、男は小さく頷いた。

カメラを持ち直す。

「そこ、動かないで」

声に迷いがなくなっていた。

シャッター。

「こっち見て」

従う。

またシャッター。

主導権が移っている。

そのことにはっきり気づいた。

――やりすぎたかもしれない。

確かに私は妄想の雰囲気を味わいたかった。

男が大胆に撮る。

欲望のまま隠さずにカメラを向ける。

私はそれを支配しながら、男を翻弄する。

だからと言って本当に犯されたいわけではない。

「一回休みます?」

聞かれて、私は男を見た。

もうこの辺で終わりにしよう。

「……続ける」

殆ど無意識に答えていた。

男の目が、さっきまでの慎重さを完全に失っている。

カメラをゆっくりと構え直す。

レンズが、私の顔ではなく、開いた脚の付け根に向けられる。

「……動かないで」

声が低い。

接写の距離まで近づいてくる。

シャッター音が、肌に近いところで何度も鳴る。

私はわざと、スカートの裾を少しだけずらした。

男の呼吸が止まるのが分かった。

「……ここ、濡れてる」

男が呟いた。

下着の布に、はっきりと染みができている。

自分でも分かっていた。

脚を閉じようとして、やめた。

「ちがう……」

否定しながら、指先で自分の太ももを撫でてしまう。

確かめるふりをして、そっと触った。

熱い。

指が湿った布地に沈む感触がした。

男の喉が鳴った。

カメラを下ろす手が、震えている。

私は視線を落とした。

ズボンの生地が、はっきりと盛り上がっている。

「……興奮してる?」

わざと聞いた。

男は答えなかった。

ただ、カメラを置き、一歩近づいてくる。

「待って」

――ここで止めよう。

なのに妄想の中の私が、男の上で声を出してよがっている。

「もっと近くで、撮って」

カメラを持ち直した男が近づく。

レンズが、ほとんど下着に触れる距離まで寄ってくる。

「ここ、はっきり写っちゃうよ……」

男が言う。

私は脚を少し広げた。

「写して」

男の指が、震えた。

シャッターを切る手が、もう冷静ではない。

――もう止めよう。

私は染みを広げるように下着の上に指を這わせた。

男はカメラを放り出すように置いた。

私の腰に手が伸びる。

「……いや」

声に出して抵抗する。

男が本当に辞めてしまわないよう、抵抗の強さも加減する。

男の動きがぎこちない。経験が少ないのだろう。

だからこそ、自然と乱暴になる。

スカートを乱暴にたくし上げ、下着の脇から指を滑り込ませる。

「あっ……」

男の指が、ぐしゃぐしゃの肉ひだに触れた。

熱い。

疼く。

男の指が乱暴に動く。

妄想の中の私が、現実の私に同化していく。

「やめて……そんな、強くしないで……」

言葉とは裏腹に、脚の動きを男の指に合わせる。

男がさらに深く指を沈めた。

淫音が、小さく鳴る。

私は男の股間を見た。

思わず手が伸びた。

硬いものを、掌で包み込む。

「……こんなに、なってる」

妄想の中の私が、卑猥な言葉を吐く。

「こんなに硬くして……私の、ここを見てたの?」

現実の私が、妄想の中の自分の言葉に興奮する。

掌の中で、男のものがびくんと跳ねた。

「あなたのを見せて」

命令するように言った。

男は一瞬迷ったあと、自分でパンツを下ろした。

硬く勃起したものが、跳ねるように出てくる。

私はそれを見て、息を呑んだ。

熱い。

太い。

先端がすでに濡れている。

「……ここに」

私は下着をずらし、熟れた肉芽に触れた。撮影のため、処理を念入りにしたそこは、はっきりと見えるはずだ。

自分でも驚くほど、はっきりと命令した。

男がぎこちない動きで、私の脚の間に体を押しつけてくる。

「いや……」

男が先端を押し当てた瞬間、身体が震えた。

「ゆっくり……いや、強くして!」

命令する。

男は従う。

一気に沈み込んでくる感触に、視界が白くなった。

お互いに求め合う格好になっていた。

男は拙いながらも、腰を激しく動かしている。

私は彼の背中に爪を立て、脚を強く絡め、腰をくねらせて応える。

「もっと……奥まで……」

「こんなに……したかったのか」

男の声も、もう丁寧ではない。

欲望だけの声だ。

私は初めて、欲望だけのセックスというものを体験していた。

知らない人ととか、恥ずかしいとか、そんなものはもう遠かった。

ただ、熱いものが奥を抉る感触と、自分の中から溢れ出る水音と、男の荒い呼吸だけがあった。

やがて男が、限界を迎える。

私の中で熱いものが迸る感触に、私も一緒に達した。

腰が跳ね、脚が痙攣し、声にならない声が喉から漏れる。

満足してしまった。

完全に。

撮影を一度味わえば満足して、妄想は終わると思っていた。

たぶん逆だった。

自分が何を望んでいたのか分かってしまった。