04 / FICTION

SLENDER IV.com / 書き下ろし官能小説

海の夜

親友との旅行で、自分の価値を確かめる朝

親友との海の旅行で、里奈は自分の価値を確かめようとする。一夜の秘密を抱えた朝に、彼女が見つめるのは……。

創作であること

この物語は作品から着想を得た独立したフィクションです。出演者本人の心情や実際の出来事、レビュー対象の固有場面を示すものではありません。

この小説は、作者自身のアイデアと構想をもとに、AIの支援を受けながら文章化・推敲しています。

WRITTEN FOR SLENDER IV.com

里奈は、明かりを落とした部屋で、仰向けに寝ていた。

エアコンの風が、肌に薄く当たる。薄いキャミソールの裾を、自分の指でゆっくりと上げた。

腰のくびれに触れる。指の腹で、骨のすぐ上をなぞる。このラインは、誰にも負けないと思っている。鏡の前で何度も確認した。横から見たときの、滑らかな曲線。後ろから見たときの、尻の丸み。胸の高さも、十分だった。

なのに、いつも負けた。

顔が派手で、目が大きく、メイクを濃くした女の子に。

里奈の顔は悪くない。けれど、通りで振り返られるほどではない。でもあの娘は、美月は違う。会った瞬間に目がいく。笑うとさらに可愛く見える。そして、なぜか里奈が気に入った男は、いつも美月のほうへ流れていった。しかも里奈は、美月と仲がいい。親友だといえばそうとも言える。いい娘だし、それが、余計に腹立たしかった。

今夜も、同じことを考えていた。

悠真の顔を思い浮かべる。低い声。肩の幅。腕の力。里奈が好きになった男だ。そして今は、美月の彼氏になっている。付き合い始めてまだ二ヶ月ほどだ。美月は幸せそうに彼のことを話してくる。里奈は、それを聞きながら笑っていた。

里奈は、キャミソールの上から、胸をゆっくりと押さえた。指の間で、柔らかさを確かめる。自分の手では物足りない。悠真の手なら、もっと大きく、熱を持って包むだろう。そう思うと、下腹部が熱くなった。

脚を少し開く。指を、下着の上から滑らせる。すでに湿っていた。悠真の指を想像する。自分の腰を掴む力。ゆっくりと、内側へ入ってくる感触。里奈は息を細く吐き、指を下着の中へ入れた。

中は熱かった。指を動かすたびに、ぬめりとした感触が広がる。悠真なら、もっと乱暴に、でも確実に探ってくるだろうか。里奈は目を閉じ、腰をわずかに動かした。胸の下のラインを、空いたほうの手でなぞる。自分の身体の曲線を、彼に見せつけるように。

「……ん」

声が、喉の奥から漏れた。わざとではない。ただ、指が良い場所を押しただけだ。里奈はもう少し深く入れ、ゆっくりと屈伸を繰り返した。想像の中で、悠真が自分の尻を掴んでいる。美月にはない、この腰のくびれを。この胸の膨らみを。

快感が、じわじわと集まってくる。里奈は脚を内側に寄せ、指の動きを速めた。息が短くなる。腰が浮く。最後に、指を奥まで押し込み、そのまま止めた。熱が、下から一気に広がった。

体が小さく震える。里奈はしばらく、天井を見つめたままだった。指を抜き、濡れた感触をティッシュに擦りつける。

終わったあと、はっきりと思った。

身体を見せたい。

美月が可愛いのは認める。でも、自分の身体にも同等の価値はあると思う。男が本当に欲しがるはずのものを、自分は持っている。それを、確かめてみたい。

関係は、変えなくていい。ただ、価値を確かめるだけでいい。

提案は、自然に通った。

夏休みの終わりに近い週末、三人で伊豆の海へ行くことになった。美月との間では、不自然な組み合わせではなかった。いままでに逆のこともあった。

だから美月ははしゃいでいた。初めての三人旅行となる悠真も、嫌な顔はしなかった。里奈は予約を取り、民宿の部屋を二つに分けず、広い和室を一つにした。理由は「みんなでいたほうが楽しいから」と、笑って言った。これも慣習だった。

当日、車で向かう道中、美月は悠真の隣の席に座った。里奈は後部座席から、二人の肩が触れ合うのを見ていた。美月が彼の腕に軽く寄りかかる仕草も、見ていた。胸の奥が熱くなる。嫉妬は、消えていなかった。むしろ、計画があるぶん、はっきりと燃えていた。

海に着くと、すぐに水着に着替えた。

里奈が選んだのは、黒のシンプルなビキニ水着だった。縁取りの白のライン以外に飾りは何もなく、身体のラインだけがスッキリ見えた。立ち上がったときは、尻のラインがはっきりと出る。鏡の前で確認した。悪くない。

美月は、ピンクのフリルがついたものだった。顔に合う。

やっぱり可愛い。と、里奈は思ってしまった。

砂浜にいるあいだ、里奈は何度も悠真の視線を感じた。泳いだあと、水から上がるとき。腰の水滴を拭うとき。美月が笑って彼に水をかけているときでさえ、視線の端は里奈のほうへ流れていた。

夜。

民宿の部屋で、三人で簡単な夕食を取ったあと酒を飲んだ。美月が先にシャワーへ入った。窓の外で、波の音がしている。部屋の明かりは落として、間接照明だけにしていた。

美月がシャワーから出てきて、髪を乾かしながら「もうダメかも」と言った。美月は酒が弱い。だがそれがコンプレックスらしく、いつも無理して飲んだ。男からすると、それも可愛いらしい。

里奈は、優しく笑って「先に寝てていいよ」と答えた。美月は布団に入り、すぐに小さく寝息を立て始めた。

里奈は、悠真のほうを見た。

彼は、窓の外を見ていた。里奈は立ち上がり、ゆっくりと彼の隣へ座った。距離を、意識して詰める。肩が触れそうな位置。

「今日、見てたでしょ」

声を低くした。悠真が、わずかに顔を向ける。

「水着のこと」

里奈は、自分の腰に手を当てた。指で、くびれをなぞる。

「私の、身体」

悠真は、すぐに否定しなかった。視線が、里奈の胸のラインから、腰へ落ちた。里奈は、その視線を受け止めたまま、さらに近くへ寄った。

兆候はあった。海にいたときの視線の種類。美月が聞いていない時の言葉。わざとに里奈が触れられる距離に立っていたこと。

悪い男だ。

そう思っていた。そして同時に、今夜のことを確信もしていた。

「美月のほうが可愛いのは、分かってる。でも」

言葉を切った。代わりに、手を伸ばして、悠真の腕に触れた。指先で、筋肉の感触を確かめる。

「遊びで、いいよ」

悠真の喉が、小さく動いた。彼は、ゆっくりと手を上げ、里奈の腰に触れた。指が、下着の生地の上から、くびれに沿う。里奈は息を吸った。想像していた感触より、熱かった。

彼の手が、ゆっくりと上がる。脇の下を通り、胸の横へ。里奈は、自分から体を寄せた。下着の薄い生地越しに、胸が彼の腕に当たる。悠真の指が、ためらいがちに谷間へ滑り込んだ。

「もっと、いいよ」

里奈は、小声で言った。彼の手が、胸を包む。柔らかさを確かめるように、ゆっくりと動く。里奈は目を細め、彼の首筋に唇を寄せた。塩の匂いが、わずかに残っている。

キスは、里奈から始めた。最初は浅く、悠真が応えると、舌を絡めた。部屋の空気が、湿り気を帯びる。美月の寝息が、すぐ近くで聞こえている。それが、余計に里奈の内側を熱くした。

悠真の指が、部屋着の紐にかかる。里奈は、自分で紐を解いた。生地が、片方の肩から滑り落ちる。悠真が美月の方を見た。

「散歩に行く?」

少しだけ大きくした声で、里奈が言った。

彼は、一瞬だけ間を置いてから、頷いた。

里奈は肩にかけていた薄い羽織を直し、部屋着の紐を結び直した。悠真も立ち上がる。二人は、美月の寝息を確認してから、静かに玄関を出た。

夜の海は、昼間より遠くに感じられた。民宿の灯りが背後に小さくなり、砂利道を少し歩いたところで、里奈は立ち止まった。防波堤の影になる場所だった。波の音が近く、人の気配はない。月明かりが、薄い雲の間から落ちている。

里奈は、振り返って悠真を見た。

「ここなら」

声は、ほとんど囁きだった。

悠真が近づく。里奈は、自分から彼の胸に額を預けた。彼の手が、すぐに腰に回る。昼間の視線が、ここに繋がっているのが分かった。里奈は顔を上げ、もう一度唇を重ねた。今度は、急がなかった。舌を深く絡め、息を混ぜる。彼の手が、羽織の中へ入る。部屋着の下は、下着のままだった。指が、背中の金具に触れる。

膨らみを包んでいたものが滑り落ちる。月明かりが、剥き出しになったその形を淡く照らした。白い肌に、わずかな影が落ちる。谷間の暗がりが、昼間より淫らに見えた。悠真の視線が、そこに固定される。里奈は、その視線を意識しながら、彼の手を取って自分の胸に導いた。

夜気に触れた肌を、すぐに彼の掌が包んだ。指が先端を捉えると、里奈は小さく息を詰めた。

「……ん」

声を殺すように、彼の肩に顔を寄せる。悠真の手が、丁寧に、しかし確かにくねらせる。重みを確かめるように、指の腹で円を描く。里奈は、彼のシャツの裾を引き上げ、腹に直接手を当てた。熱い。筋肉が、触れるたびにわずかに動く。

彼が、里奈の尻に手を回し、引き寄せた。下半身が密着する。すでに硬くなっているのが、布越しにはっきりと分かった。里奈は、ゆっくりと擦りつけた。自分の腰のくびれが、彼の掌に収まる感触を確かめる。悠真の息が、乱れる。

里奈は、彼のベルトに手をかけた。外す。ジッパーを下ろす。手を中に入れ、直接握る。熱く、脈打っている。自分の身体が、これを欲しがっているのが、改めて分かった。親友の彼氏のものを、こうして握っている。美月が眠っている今、自分だけがこれを知っている。その事実が、下腹部を熱くした。

悠真が、里奈の下をずらした。指が、すでに濡れたところに触れる。里奈は、太ももを緩め、受け入れた。指が中へ入る。ゆっくりと、奥まで入る。里奈は、彼の首筋に歯を立てそうになって、堪えた。

「……はぁ……」

息だけが漏れる。悠真の指が、内側を探るように動く。里奈は、彼のものを握ったまま、腰を動かし始めた。指と、自分の熱が混ざる。月明かりが、開いた脚の付け根に薄い影を落としている。昼間、視線で追われていた下腹部のラインが、今は彼の指の下にある。

砂利が靴の下でわずかに動く。里奈は、自然と体を少し後ろへずらした。防波堤のコンクリートに、背中が触れる。彼の指がまだ中にあるまま、里奈は彼の肩に両腕を回し、体を預けた。胸が、彼の胸板に密着する。月明かりが、密着した二人の影を防波堤に落とす。

悠真が、指を抜き、里奈の腿を持ち上げるようにして密着を深めた。先端が、入口に当たる。里奈は、脚を彼の腰に絡めかけたが、砂利の感触が不安定だった。体勢を保つのが難しい。里奈は、体をひねり、防波堤に両手をついた。後ろから彼が来る形になる。尻が、わずかに持ち上がる。月明かりが、背中から腰にかけての曲線を、淫らな影で縁取った。白い肌の上に、骨の際の影がくっきりと落ちている。

悠真が、その腰を掴み直す。先端が、もう一度入口に当たる。里奈は、自分から少し腰を後ろへ下げた。中へ入ってくる。熱が、奥まで届く。里奈は、歯を食いしばるようにして、声を抑えた。

繋がったまま、しばらく動かない。波の音だけが近い。美月が眠っている部屋が、ほんの数百メートル先にある。その事実が、里奈の内側を締めつける。親友の彼氏を、自分の中に受け入れている。月明かりの下で、自分の身体のラインを晒しながら。その背徳が、快感を増幅させた。

悠真が、ゆっくりと腰を動かし始めた。深く、しかしゆっくりと、何度も。里奈は、防波堤に額を近づけ、息を殺した。彼の手が、腰のくびれを強く掴む。指が、骨の際をなぞる。昼間、視線で追っていたラインを、今は直接触れている。自分の身体で一番自信のある部分を、今、彼が握っている。その感触が、里奈をさらに熱くした。

動きが、次第に大きくなる。里奈の胸が、上下に揺れる。悠真が、前から片手を回して胸を掴む。指が先端を挟むたびに、里奈の内側が収縮した。

「……あっ……ん……」

声が、波に紛れそうな大きさで漏れる。里奈は、自分から腰を押し返した。深く、受け入れる。彼のものが、奥を擦るたびに、熱が集まってくる。自分が、こんなことをしている。美月の彼氏を、夜の海で、後ろから受け入れている。その事実が、頭の中で大きく響いていた。

悠真の動きが、速くなる。里奈は、防波堤に手をついたまま、体を預けるようにした後ろへ体重をかけた。彼の手が、尻を掴んで引き寄せる。完全に奥まで入る感触。里奈の脚に、力が入る。

快感が、限界に近づく。里奈は、歯を噛んで声を抑えたまま、腰を震わせた。内側が、強く何度も締めつける。悠真も、すぐに深く沈めたまま止まった。少し止まって、里奈の尻の上で自らを擦る。

二人ともしばらく、動かない。息だけが、荒い。

里奈は、ゆっくりと体を起こした。悠真が、後ろから彼女の腹に腕を回す。里奈は、その腕に手を重ねた。月明かりの下で、自分の腰が彼の腕に収まっているのを、確かめるように見た。

「戻ろう」

声は、まだ少し掠れていた。

二人は、静かに服を整えた。悠真の液は海で洗った。下着を直し、羽織を羽織る。砂利道を戻るあいだ、ほとんど言葉はなかった。民宿の玄関を開け、部屋に入る。

美月は、さっきと同じ姿勢で眠っていた。寝息も、変わらない。

里奈は、それを確認してから、自分の布団に入った。隣で、悠真も横になる音がした。

里奈は、天井を見た。身体の奥に、まだ熱が残っている。防波堤の感触も、彼の手の感触も、残っている。

価値は、確かめた。

美月の彼氏を、一晩だけ自分のものにした。それでも朝になれば、何もなかったように三人で朝食を取るのだろう。

その予感が、すでに甘く疼いていた。

翌朝。

三人で、民宿の朝食を取っていた。美月は、フロントから借りたという観光マップを広げて、「午後は温泉行こうよ」と笑っていた。声が明るい。何も知らない顔だった。時折、悠真の腕に軽く触れる仕草も、変わらない。

悠真は、味噌汁をすする手を、わずかに止めた。里奈と目が合うと、すぐに視線を逸らした。耳の付け根が、少し赤い。それでも、美月が話しかけると、普通に返事をしていた。関係は、何も変わっていない。

里奈は、焼き魚を口に運びながら、その様子を見ていた。胸の奥が、熱い。昨夜の感触が、まだ身体に残っている。腰の奥の、甘い疼き。隣で無邪気に話す美月。気まずそうに、しかし日常を装う悠真。

全部、自分だけが知っている。

里奈は、茶を飲んだ。喉を通る熱が、昨夜の熱と重なる。

この感覚は、癖になりそうだと思った。

次も、また。

違う男でも、同じ男でも。顔で勝っている女の隣で、自分の身体の価値だけを、静かに確かめる。

里奈は、箸を置き、窓の外の海を見た。波が、静かに寄せては返している。

関係は、変えなくていい。

ただ、価値を確かめただけだ。