04 / FICTION

SLENDER IV.com / 書き下ろし官能小説

大人向け音声を録っているおっとり声優が、間違えて元サークル仲間にその声を聞かせてしまったら

作品から着想を得た、書き下ろし官能小説です。

作品の余韻から生まれた、出演者本人とは無関係の独立した物語です。

創作であること

この物語は作品から着想を得た独立したフィクションです。出演者本人の心情や実際の出来事、レビュー対象の固有場面を示すものではありません。

この小説は、作者自身のアイデアと構想をもとに、AIの支援を受けながら文章化・推敲しています。

WRITTEN FOR SLENDER IV.com

私の声は、昔からよく褒められた。

柔らかいとか。

落ち着くとか。

…眠くなるとか。

声優になってからは、

「癒やし系ですね」

と言われることが一番多い。

見た目もたぶん、声とそんなにずれていない。

二十四歳。

黒髪を肩より少し長く伸ばしていて、派手な服はあまり着ない。

喋るのも遅い。

だから初対面の人からは、だいたい「おっとりした子」と思われる。

別に間違ってはいない。

ただ。

仕事のほうは、そんな可愛いものばかりではなかった。

まだ売れていない。

アニメのレギュラーなんてほとんどないし、名前のある役をもらえることだって珍しい。

だから私は、最初に決めていた。

来た仕事は、できるだけやる。

それが、大人向けの作品でも。

抵抗がなかったわけではない。

最初の仕事は、台本を読んでいるだけで顔が熱くなった。

でも三本目くらいには慣れた。

十本を超えたころには、むしろ楽しくなっていた。

宅録が多いのも助かった。

自分の部屋。

一人きり。

マイクの前に座って、台本を読む。

ただ、大人向けの台詞には一つ問題がある。

演技だけだと、自分で聞いていても嘘っぽい。

そこで私は、いつからか一番簡単な方法を使うようになった。

自分で、本当にそういう気分になる。

そのほうが圧倒的に早い。

息も。

声の震えも。

間も。

全部、本物になる。

最初は仕事のためだった。

たぶん。

今は少し違う。

ヘッドホンをして。

マイクを目の前に置いて。

録音ボタンを押す。

この声が、いつか知らない誰かの耳に届く。

そう考えながら一人で録るのが。

私は結構、好きだった。

もちろん。

そんなこと、誰にも言ったことはない。

「これ、ドライバーじゃない?」

航平が私のパソコン画面を見ながら言った。

「やっぱり?」

「多分。一回入れ直したほうがいい」

「お願いしていい?」

「そのために来たんでしょ」

大学時代、同じアニメ研究サークルにいた友達。

佐伯航平。

同い年。

今は普通の会社員だけど、昔からパソコンや音響機材に詳しい。

宅録用のオーディオインターフェースの調子が悪くなって、私が助けを求めた。

航平とは卒業後も時々会う。

いい人だ。

優しいし。

話しやすい。

でも。

男として見たことは一度もない。

大学時代からずっと、チェックのシャツとかパーカーばかり着ていて。

アニメの話をすると止まらない。

女性と話すと今でもちょっと緊張する。

そんな人。

「音出してみるよ」

「うん」

航平がフォルダを開く。

私はキッチンでコーヒーを淹れていた。

「これでいい?」

「適当なのでいいよー」

そう答えた直後。

部屋のスピーカーから。

聞き覚えのある声が流れた。

私だった。

しかも。

よりによって。

昨日録った、大人向け作品のテイクだった。

「…………」

私は固まった。

数秒後。

「ちょ、待って!」

慌ててリビングへ走る。

航平も慌てて停止ボタンを押した。

静かになった。

ものすごく静かになった。

私はパソコンを見る。

航平を見る。

航平は私を見ない。

「……今の」

「練習」

自分でもびっくりするくらい早く答えた。

「練習?」

「そう。仕事で、そういう役が来ることもあるから。こういうのもできたほうがいいかなって」

苦しい。

絶対苦しい。

でも航平は、

「あ、そうなんだ」

と言った。

「うん」

「大変だね、声優って」

「そうなの」

よし。

終わった。

私はコーヒーをテーブルへ置いた。

そこで気づいた。

航平の様子がおかしい。

妙に姿勢が固い。

私と目を合わせない。

そして。

私は、一瞬だけ視線を下げた。

理解した。

「……え」

航平がますます固くなった。

私はもう一度見る。

間違いない。

「航平」

「何」

「もしかして」

「何」

「今の声で?」

「違う」

早い。

私は思わず笑った。

「まだ何も言ってないよ」

「いや」

顔が赤い。

その顔を見ているうちに。

私の中で何かが変になった。

知らない誰かが、私の声を聞いてそういう気分になっている。

それは何度も想像した。

むしろ、それを想像しながら録っている。

でも。

本当に目の前にいる。

私の声を聞いた男が。

明らかに反応している。

それを初めて見た。

胸の奥が。

急に熱くなった。

「……航平」

「ごめん」

「なんで謝るの?」

「いや、だって」

私は航平の隣に座った。

少し近く。

航平がますます緊張する。

それがおかしくて。

それ以上に。

なんだか嬉しかった。

私の声って。

本当にこんなふうになるんだ。

「あのさ」

「うん」

「ちょっと変なお願いしていい?」

航平が恐る恐る私を見る。

私は少し迷って。

笑った。

「……生で聞いてみる?」

もう一度、同じことを聞いた。

「生で、聞いてみる?」

航平はすぐ隣にいる。

顔が近い。

耳が赤い。

冗談なのか本気なのか、判断できていない顔だった。

口が開いて、閉じる。

「……え」

「さっきの」

私は少し笑った。

「本当に、そんなに良かった?」

航平の視線が泳ぐ。

股間のあたりは、さっきより隠しようがない。

「……うん」

小さく言った。

「良かった」

その一言で、下腹がきゅっとなった。

いつもの部屋。

いつものヘッドホン。

一人で脚を閉じて、自分の指を動かしながら録っているときの熱が、いきなり目の前に重なった。

我慢できないかも、と思った。

航平なら、誰にも言わない。

嫌いなわけでもない。

みんな、セフレくらいいるみたいだし。

これくらい、普通だよね。

勝手にそう納得して、私は膝を航平のほうへずらした。

「じゃあ」

耳のすぐ横で、仕事のときの声にした。

低くて、少し甘い。

息を混ぜる。

「ん……聞いてる?」

航平の肩が跳ねた。

「っ……」

「声出たじゃん」

おかしくて、また笑いたくなる。

でも笑ったら壊れる気がして、そのまま続けた。

「もっと、近くで聞く?」

顎を寄せる。

唇が、耳たぶに触れそうな距離。

「あっ……ん、気持ちいい」

台本じゃない。

今、作っている。

航平の太腿に力が入るのが、隣から分かった。

「航平」

「な、何」

「硬くなってる」

「ご、ごめん」

「謝らないで」

私は声だけ、さらに落とす。

「その反応、欲しかったの」

自分の手が、いつの間にかスカートの上へいっていた。

布の上から、強めに押さえる。

もう熱い。

濡れてきている。

バレないように、と思ったのに。

航平が下を見た。

目が合う。

「……今、してる」

言い訳が先に出た。

「声出してると、本当にそういう気分になるから。仕事のときも、こうしないと嘘っぽくて」

航平は驚いた顔のまま、私を見ている。

目を逸らさなかった。

逸らすと、今の自分が消える気がした。

「んっ……見てて」

指を、下着の上から動かす。

染みが広がるほどではない。

それでも、航平の呼吸が変わった。

そのたびに、私の指も大胆になる。

クリトリスを、布越しにゆっくり擦る。

「はぁ……なんか動いちゃう…」

「航平も、してみて」

言った。

「私だけ見られて。航平のも見たい」

「え、いや、それは」

「お願い」

もう一度、耳元で吐息を混ぜて言ってみる。

「んっ、いい……あなたの、見せて」

航平の手が、震えたままベルトへいく。

まだ降りない。

ただ、膨らみを隠すのをやめた。

ファスナーの形が、はっきり浮かんでいる。

私はそれを間近で見た。

胸の奥が、どくん、と鳴った。

今、私の声で、この形になっている。

「私の声で?」

「……うん」

「完成したの聞いてるみんなも、こういうことしてるのかな…」

「知、知らない」

「航平は、他の作品で、する?」

「…初めて」

嬉しい、というより、下まで熱が落ちた。

息が荒くなる。

指が、自分の割れ目に沿って沈む。

「んあっ……こんなに勃ってるのに?」

航平の喉が鳴る。

その音を聞いて、私もまた声を漏らす。

「はぁ…っ…見てたら、おかしくなる」

手が、航平の太腿の内側へ落ちる。

止まらない。

布の上から、勃起したものを包む。

熱い。

硬い。

脈を打っている。

「っ……!」

航平が私を見る。

戸惑っている。

その顔が、たまらなく可愛く見えた。

私は指を上下に滑らせた。

「私って、こんなエッチだったんだ」

色っぽい声のまま、呟く。

「航平が、こんなふうになってるから。航平のせい」

「せ、せいって」

「うん。私の声で、こんなにしたから」

握りしめる。

先のほうが、布を少し湿らせている。

「んっ、先っぽ、濡れてる」

航平の初心な反応そのものが、気持ちよかった。

我慢できなくなった。

航平の首に手を回して、引き寄せる。

「がまん、できないかも…」

唇が近い。

「私も、しばらくしてないの」

「し、してないって」

「航平は、初めて?」

「……キスも、あまり」

「じゃあ」

私から口づけた。

すぐ離れて、また重ねる。

航平は受け身のまま、目を開けたり閉じたりしている。

「続き、していい?」

「……うん」

自分から求めたのは初めてだ。

手を引いて、部屋のベッドまで歩く。

途中、もう一度、膨らみを掌で確かめた。

「ん、まだ硬い」

ベッドの縁に航平を座らせる。

引き出しから、箱を出す。

自慰のときに使っているコンドーム。

道具に被せて使うから、付け方だけは慣れている。

「これ、付けるね」

ベルトを外す。

出す。

初めて見る航平のものは赤くて、先から透明な液を引いている。

「すごいね……」

私生活では絶対に言わないセリフが、自分を興奮させる。

もう、自分で作った"役"に入り込んでいた。

根元から先へ、ゴムを転がす。

「入れるところ、分かる?」

航平が首を振る。

私は下着をずらして、彼の指先を自分の割れ目へ導いた。

ぬるぬるしている。

「ここ。濡れてるでしょ」

「うん…」

「あとね、この小さなところ…優しく触るの」

自分で彼の指を動かして、先に擦らせる。

「うんっ、ここ……気持ちいいよ」

「私、入れるね」

跨がる。

先を、入り口に当てる。

ゆっくり入れる。

久々の熱が、奥まで一気に広がった。

「はあっ……入ってるよ…ぉ……んっ、んっ、はぁ…っ」

最初から、腰が激しくなった。

自分でも分かっている。

なのに止められない。

ぬちゃ、ぬちゃ、と音がする。

「んっ、んあっ、気持ちいい…航平……気持ちいいっ」

航平が下から小さく突く。

数回。

「あ…いきそう」

「え」

次の瞬間、航平の腰が強張って、中で脈を打った。

早かった。

ゴムの中に、熱が溜まる感触。

「あっ……」

「ごめん…ごめん!俺…」

顔が真っ赤だ。

私は少し笑って、額を寄せた。

「大丈夫」

抜く。

コンドームを外す。

まだ半勃ちのものを、そのまま口に含んだ。

「んむ……」

精液の味が、薄く残っている。

舌で裏筋を舐めて、先を吸う。

航平の手が、遠慮がちに髪へ乗る。

私は片手で彼の手を取って、自分の胸へ持っていく。

ブラウスの上から握らせる。

「触って」

口を外して、仕事の声に戻す。

「んっ、吸われてるみたい……航平の、また大きくなってきた」

本当に、口の中で戻ってくる。

「えっちな声、まだ聞く?」

「……聞きたい」

「んふ…はぁ……、素直」

すぐにもう一度、硬くなった。

新しいゴムを付ける。

仰向けに倒れて、脚を開く。

「今度は、これで入れて」

航平が脚の間に入る。

先が当たる。

「ん、そこ……そのまま入れて」

ゆっくり埋まっていく。

「はあっ、そう……奥……んっ」

航平は途中で止まる。

私の顔を見る。

射精を我慢している目だった。

「止めないで」

腰を浮かせて、自分から飲み込む。

「動かして。私の声、聞きながら」

いつもの宅録でも使わない、汚い言葉を使った。

それほど昂っていた。

「んっ、ちんちん、ぐちゅぐちゅしてる……私の中、いい?」

航平の腰が震える。

「何回イってもいいよ……んっ」

もっと大胆になる。

「いっぱい動いて……あっ、あっ…いやっ…声っ…はぁ……ねぇ…声出ちゃうから…聞いて」

一人のときは、マイクに向けて漏らしていた声が、今は航平の耳に落ちる。

自分でも驚くほど、夢中だった。

指が、自分のクリトリスへいく。

本当の喘ぎが、演技の隙間から溢れる。

「あっ…あっ、あっ…あっ、あっ!あっ!…んっ…だめぇ……気持ち良いよぅ……んんっ…」

異常なほどに気持ちがいい。

もう、絶頂が近い。

「あっ…あっ…あっ…あっ…私も…はぁ…あぁ…もういくから…いやっ…あっ…もう…い…っく」

航平の背中に爪を立てる。

「航平も、来て。激しく、動いてぇ…」

水音が立つ。

「ああ――っっ、いく、いくっ、ん……んっ…んあっ――!」

先に私が落ちた。

中が締まる。

その締めつけのまま、航平も深く押し込んで、低く呻いた。

ゴムの奥で、熱が広がる。

しばらく、重なったまま呼吸だけが荒い。

しばらくして。

私はソファに座ったまま、航平を見た。

航平はまだ顔が赤かった。

私もたぶん、人のことは言えない。

「……あのさ」

「うん」

「今日のこと」

航平が固まる。

私はいつもの調子で笑った。

「みんなには内緒ね」

「……うん」

「絶対だよ?」

「言わないよ」

その必死な返事がおかしくて、私は笑った。

少し前まで。

航平がこんな顔をするなんて想像したこともなかった。

まして。

その原因が私の声だなんて。

私はテーブルの上のパソコンを見る。

さっき間違えて流れたファイルが、まだ画面に表示されていた。

これから宅録するとき。

たぶん。

前とは少し違う想像をしてしまう。

そう思ったけれど。

それも航平には言わなかった。