04 / FICTION

SLENDER IV.com / 書き下ろし官能小説

友達四人で宅飲みしていたら、色々大変なことになった

作品から着想を得た、書き下ろし官能小説です。

作品の余韻から生まれた、出演者本人とは無関係の独立した物語です。

創作であること

この物語は作品から着想を得た独立したフィクションです。出演者本人の心情や実際の出来事、レビュー対象の固有場面を示すものではありません。

この小説は、作者自身のアイデアと構想をもとに、AIの支援を受けながら文章化・推敲しています。

WRITTEN FOR SLENDER IV.com

「じゃあ次、莉奈ね」

美咲がスマホを莉奈へ向けた。莉奈は床に転がったクッションを抱えたまま、露骨に嫌そうな顔をした。

「またあたし?」

「負けた人が答えるルールじゃん」

「さっきも負けたんだけど」

「弱いんだからしょうがない」

テーブルを挟んで拓海が笑った。

「逃げんなよ」

「うざ」

莉奈の部屋に集まったのは、夕方だった。コンビニで酒と食べ物を買い込み、適当に動画を流して、喋っているうちに夜になった。美咲、莉奈、拓海、悠斗。この四人で飲むのは珍しくない。

今やっているゲームも、最初は好きな食べ物だの、いちばん恥ずかしかった失敗だの、どうでもいい質問ばかりだった。酒が回るにつれて内容がおかしくなってきた。

美咲が画面を読む。

「この中の異性と絶対付き合わなきゃいけないとしたら、誰?」

「うわ」

悠斗が笑う。拓海が身を乗り出した。

「これは聞きたい」

莉奈は拓海と悠斗を順番に見た。

「どっちも無理」

「早っ」

「考えろよ」

「考えても無理」

「こんないい男二人目の前にして?」

拓海が言った。美咲が噴き出した。

「自分で言うなよ」

「いや、選択肢二つしかないんだぞ」

「だから選ばない」

「ルール違反じゃん」

「じゃあ悠斗」

「雑!」

悠斗が抗議する。莉奈が笑った。

「嘘嘘。どっちも普通に友達だって」

「男として見たことない?」

「ない」

「一回も?」

「ないって」

拓海が自分を指差した。

「俺も?」

「特にない」

「特にってなんだよ」

美咲は笑いながら缶を口につけた。拓海はこういうところがある。くだらないことで妙にムキになる。

「じゃあ俺が近づいても、別にドキドキとかしない?」

「何それ」

「男として見てないんだろ?」

「見てないよ」

「じゃあ平気じゃん」

莉奈が笑った。

「全然。そういう意味では何とも思わない」

「言ったな?」

「何が?」

拓海が莉奈の隣へ移動した。

「あ、始まった」

美咲が言う。莉奈も笑っている。

「何すんの?」

「実験」

「バカじゃん」

「美咲、こいつ自分で平気って言ったからな」

「知らないよ。あたし巻き込まないで」

拓海が莉奈の肩を抱いた。莉奈は平然としていて、むしろ悠斗へ顔を向ける。

「ほら。何ともない」

「強がんなよ」

「マジだって」

拓海がもう少し距離を詰める。莉奈が笑う。

「近い近い」

「平気なんだろ?」

「平気だけど、顔がうざい」

悠斗が腹を抱えて笑った。美咲も笑った。

ここまでは、いつもの四人だった。酔った莉奈が誰かの膝に座ることもある。拓海が美咲の肩を抱いて写真に入ってくることもある。美咲だって、ふざけて悠斗の頬にキスしたことくらいはあった。その先へ行かないから笑える。

「じゃあ、キスは?」

拓海が言った。

美咲の笑いが止まった。莉奈はまだ笑っている。

「それは知らん」

「ほら。意識するじゃん」

「そういう問題じゃなくない?」

「逃げた」

「逃げてないし」

「じゃあできる?」

莉奈が拓海を見る。拓海も笑っている。

「……ほんとガキ」

「できない?」

「できるけど」

美咲が缶を置いた。

「はい、そこまで」

二人がこちらを見る。

「何?」

「何じゃない。そうやって毎回調子乗るじゃん」

「まだ何もしてないじゃん」

「その辺にしときなって」

莉奈が笑った。

「美咲、お母さん出てる」

「誰がお母さんよ」

拓海まで笑った。いつもの空気に戻った。美咲も笑った。だから終わったと思った。

拓海がまた莉奈を見る。

「で?」

「何」

「できんの?」

「まだ言ってんの?」

「負け認めれば?」

莉奈が少し黙った。そして拓海の顎をつかむ。

「はい」

二人の唇が触れた。一瞬だった。莉奈がすぐ離れ、勝ち誇った顔をする。

「はい。別に何ともありませんでした」

「嘘つけ」

「ほんとだって」

「じゃあもう一回」

「なんでよ」

また二人が近づいた。

美咲は笑わなかった。

さっきより長かった。

「……ちょっと」

声に出してから、自分で驚いた。拓海と莉奈が離れる。莉奈が美咲を見る。

「なに?」

「いや……」

美咲は言葉を探した。

「もう、そのくらいにしなよ」

「なんで?」

「なんでって……」

理由が出てこない。莉奈は何も知らない。誰にも言っていないのだから当然だった。

拓海のことをいつから好きだったのか、美咲自身にもよく分からない。四人でいる時間が好きだった。拓海と二人になれば少し嬉しかった。メッセージが来れば、すぐ返したいのを我慢した。けれど、それを誰かに打ち明けるほどのものにはしてこなかった。

莉奈がまた拓海を見る。

「ほら、美咲に怒られた」

「お前が煽るからだろ」

「拓海じゃん」

二人は笑っている。美咲は酒を飲んだ。もうやめるだろうと思った。

けれど、二人の空気はさっきまでと違っていた。冗談が途切れる時間が増えていく。距離が戻らない。

「……莉奈」

もう一度呼んだ。今度は、さっきより小さな声になった。

莉奈は美咲を見る。その顔にも、一瞬だけ戸惑いがあった。それでも拓海から離れなかった。

美咲は黙った。見ているしかなかった。

嫌だった。拓海が莉奈を見る目も、莉奈がそれを受け入れていることも。そして何より嫌だったのは、目を逸らせない自分だった。

「美咲」

悠斗の声がすぐ隣からした。

「……なに」

いつの間にか近くに座っていた。

「大丈夫?」

「何が」

「いや」

悠斗はそれ以上言わなかった。美咲は前を向いたまま酒を飲む。肩が触れた。そのまま離れない。

しばらくして、悠斗の手が美咲の手に重なった。美咲はようやく横を向いた。

「……何してんの」

悠斗が美咲を見る。

「嫌?」

いつもの悠斗なら、そこでふざけたことを言ったはずだった。言わなかった。

美咲は手元を見る。拓海たちを見る。もう一度、悠斗を見る。胸の中でいろんなものがぶつかっていた。

「……今日、みんな変だから」

「美咲も?」

美咲は答えなかった。悠斗の手も振りほどかなかった。

拓海から目を逸らしたい一心で、そして、今ここで自分を必要としてくれる誰かが欲しくて、その温もりに身を預けてしまう。

悠斗の唇が、美咲の耳朶に触れる。熱い吐息が耳腔をくすぐり、柔らかい感触が肌をなぞる。

美咲はそっと目を閉じ、悠斗の胸に顔を埋めた。

拓海への激しい嫉妬が、悠斗の穏やかな愛撫によって、次第に心地よい痺れへと変わっていく。

指先が衣服の裾から忍び込み、柔らかな脇腹をゆっくりと撫で上げる。その緩やかなリズムに、美咲の呼吸は次第に深く、熱いものへと変わっていった。

(……いいんだ、今は、これで)

自分を宥めるように思い込もうとした。

ふと、美咲が顔を上げた。そこには、莉奈と絡み合っていたはずの拓海が、じっと自分を見つめていた。

言葉はなかった。けれど、ぶつかり合った視線の奥で、確かな何かが弾けた。

拓海の瞳には、莉奈に対するような、単なる情欲とは異なる、深い光が宿っていた。

美咲もまた、気づけば拓海から目を逸らせなくなっていた。彼が自分を求めているのかもしれない。

そして自分は、彼を、狂おしいほどに求めている。

その視線が、二人を繋ぐ見えない糸となって、ゆっくりと引き寄せた。

莉奈が、拓海の視線の先にある美咲の様子に気づき、小さく微笑む。彼女は自然に拓海から身体を離し、そのまま、美咲を抱きしめていた悠斗の胸元へ、滑り込むように移動した。

「あは。悠斗、私、こっちがいい」

莉奈の無邪気な誘いに、悠斗も静かに頷き、彼女を受け止める。 そこに淀みや葛藤はなかった。ただ、四人の間に漂っていた熱が、あるべき場所へ再編されたようだった。

拓海がゆっくりと手を伸ばし、美咲の頬を包み込む。 指先が、愛おしそうに彼女の輪郭をなぞった。その触感だけで、美咲の心臓は激しく打ち鳴らされる。

「……美咲」

名前を呼ばれた瞬間、美咲は自ら拓海の首に腕を回し、吸い寄せられるようにその唇を求めた。

「ん……っ」

重なり合う唇は、驚くほど熱く、柔らかかった。 拓海は彼女がどれだけ自分を欲しているかを確かめるように、ゆっくりと、深く、舌を絡ませていく。美咲は鼻に抜ける彼の匂いに意識が朦朧とし、快楽がじわりと全身に広がっていく感覚に身を任せた。

「あぁ……拓海……っ」

美咲の吐息が漏れるたび、拓海は心地よさそうに目を細め、彼女の背中を優しく、けれど確実に抱き寄せる。

拓海の手が、美咲の衣服の下へゆっくりと忍び込んだ。指先が肌に触れるたび、美咲の身体は敏感に反応し、小さく跳ねる。

「美咲」

拓海の囁きに導かれるように、美咲は自ら肢体をほどき、彼にすべてを委ねた。

拓海の愛撫は、執拗なほど丁寧だった。胸の蕾を、親指と人差し指でゆっくりと、けれど確実に刺激し、美咲の理性を一枚ずつ剥いでいく。

「んっ……」

快感が、美咲のなかで渦を巻く。 拓海は美咲の反応を一つひとつ慈しむように、耳たぶを食み、鎖骨に深いキスを落としていく。

「ハッ……ハッ…ハァ…っ」

その緩やかな、けれど濃厚な愛撫の連鎖に、美咲の呼吸は次第に荒くなり、身体が熱を帯びて震え始めた。

「好き……っ、拓海……っ」

昂ぶりの中で、美咲は耐えきれず、本心を吐き出した。 拓海はそれを優しく受け止め、美咲の額に口づけを落とす。

「俺も、美咲」

その言葉に、美咲のなかで張り詰めていた何かが、静かに溶けていった。

拓海は美咲の脚をゆっくりと割り、確かめるように指を入れた。

そしてその後をなぞるかのように彼女の最深部へと、静かに、自らを沈める。

「はっ…あぁ……っっっ…」

完璧に、一つに重なり合う。 激しさではなく、深さ。

拓海がゆっくりと腰を動かすたびに、美咲は自分のなかが彼で満たされていく充足感に、視界が滲む。

「……っ、あぁ、んっ……拓海、拓海……っ」

美咲の身体は、快楽に翻弄されながらも、拓海に抱きしめられているという安心感に包まれていた。

肌が吸い付くような密着感。 互いの鼓動が重なり合い、溶け合う。

「はぁっ…はぁっ…はぁっ………んんっっ…あぁっ!」

四人の吐息が部屋に満ち、熱い空気が肌をなぞる。

美咲は、拓海という深い熱の中に沈みながら、これまで抑え込んでいた情熱のすべてを、静かに、けれど深く注ぎ込んでいった。


朝。

目を覚ました四人は、しばらく昨夜のことを誰も口にしなかった。

莉奈が水を飲みながら、悠斗を見る。

「……昨日、すごかったね」

「今さら言う?」

「いや、朝になると変な感じ」

悠斗が笑う。

「じゃあ俺らも、この流れで付き合っとく?」

莉奈は笑いながら首を振った。

「それはない。普通に友達」

「ですよね」

それで話は終わった。

美咲は隣の拓海と目が合った。

「昨日の、好きってやつ」

「……忘れて」

「無理」

「最悪」

「今も?」

美咲は少し黙る。

「……好き」

拓海が笑った。

「じゃあ、付き合う?」

美咲も笑ってしまった。

「こんな始まり方で?」

「今さらじゃない?」

少し考えて、美咲はうなずいた。

「……まあ、そうか」

昨夜までは、ただの四人だった。朝になって、美咲と拓海だけ少し関係が変わった。

こんな始まり方の恋愛も、あるらしい。